これ、わたしもやりたかった!!
コラムニストのブルボン小林さんと、元デイリーポータルZ(DPZ)ライター・編集で今はエッセイストの古賀及子さんの二人が2022年5月から2024年7月まで毎月5のつく日に配信していた「採用ラジオ」というポッドキャスト番組があった。古賀さんの多忙につき、全73回で惜しまれながら終了した。本書はリスナーのひろこさん、岡さんの二人による「採用ラジオ」への愛に溢れた一冊。2025年5月11日の文学フリマ東京40にて入手した。
この本が出ると知って、「買わねば」と思うと同時に「やられた!!」と思った。これ、わたしもやりたかったああああ。なんで思いつかなかったのか。悔しい。しかし思いついてちゃんと形にした著者のお二人はほんとうに素晴らしい。うらやましい。
何を隠そうわたしは採用ラジオのヘビーリスナーだ。1回目から欠かさず配信当日に聞き、終了後も繰り返し10回以上は通しで聞いている。「ヘビーリスナー」を自称してもいいと思う。
投稿も2回ほど読んでいただいた。
- Vol.30「Kindleの光とけなげ」の回。Kindleを洗濯乾燥してしまった話
- Vol.57「涙目ビリヤード」の回。長嶋有「トゥデイズ」への感想
本書は、著者のひろこさんと岡さんが存分に「採用ラジオ」と古賀さん・ブルボンさんのお二人について熱く語り合う前半部分と、「架空の回への投稿」と、73回の各回ごとのダイジェストと感想コメントを書いた後半部分で構成される。
前半の二人の対話パートで、著者の一人であるひろこさんが、採用ラジオを聞くのは夫婦がそろった夕飯時であると述べていて、「あ、夫が和牛焼き肉を食べるのに付き合って夕飯2回食べた人だ」とわかった。我が家では、配信当日にわたしと夫でそれぞれ聞いて、主に夕飯時に感想を言い合うというスタイルだった。夫婦で聞いているという話に勝手に親近感をもって覚えていたのだ。
本書前半の著者二人の対話パートはほんとうに楽しそうで、そこにわたしも混ぜてほしかった。こんなふうにあの番組のこと、古賀さんやブルボンさんの作品だけでなくその愛すべき人柄についても話せるのは楽しいに決まっている。
わたしは長年のDPZ読者で古賀さんファン。採用ラジオを聞き始めてからブルボン小林さんのもう一つの顔である作家・長嶋有の「ルーティーンズ」を読み、すっかりハマり、過去作を読み漁っている。Vol.57で採用された「トゥデイズ」の感想にそのことを書いたのだが、本書によれば著者の岡さんはわたしとほとんど同じ経緯をたどっているようだ。本書後半のVol.57についての岡さんのコメントに「おれもおれも」とあってにやりとした。心の中でハイタッチ。
謎に上から目線に申し上げてしまって大変恐縮だが、お二人とも文章がとてもうまくて読みやすかった。古賀さんの日記ワークショップに参加されていたそうなので、古賀さんの薫陶を受けているからだろうか。対話パートの編集も雑誌の対談ページみたいでとても読みやすかった。もしかしてプロの編集者さんなのかしら(調べてないです。すみません)。
岡さんとは文フリ会場で少し話させていただいたが、「財布を焼却炉で燃やしちゃったひとも来てくれたんです(Vol.35)」と仰っていた。きっとその後にも他のリスナーも行ったんじゃないかな。文フリ東京40のあのブースで、採用ラジオリスナーが時間を変えながらプチオフ会をしていたと思うとおもしろい。
わたしもいつかこういうZINEを作りたいな。めちゃくちゃ楽しそう。まずは著者お二人の瞬発力と実行力を見習いたい。